カナダ就職に必要な英語力って?留学生・移住者が知っておきたいポイント
- Kyo Watanabe

- 3月20日
- 読了時間: 7分
更新日:3月20日

私がカナダに移住して就職しようとしていた時、まず頭に浮かんだのは「私の英語力で大丈夫かな?」という疑問でした。日本で3年間の営業経験はありましたが、英語での実務経験はほぼゼロ。それでも「日本で積み上げたキャリアを活かしたい」という一心でしたが、不安は拭えませんでした。
しかし実際に仕事を始めてみると、日本で心配していたことの多くは問題ではなく、むしろ当時は知らなかった「別の落とし穴」があることに気づきました。今回は私の実体験に基づいた「カナダ就職のリアル」をシェアします。
私がカナダで営業代行をしていた頃のことです。クライアントからとある要望を受けたとき、私は単に「内容を把握していないので分かりません」という意図で "I don't know." と答えました。その瞬間、相手の表情が曇ったのを今でも覚えています。
後で知ったことなのですが、実は日本語の「分かりません」は謙虚で丁寧な響きですが、英語の "I don't know." は、時に「そんなこと知るか」という突き放した無責任なニュアンスで伝わることがあるのです。
プロフェッショナルな場では、"I'm not sure at the moment, let me double-check."(現時点では確実ではないため、確認させてください)のように、「相手との関係性を維持する配慮」が不可欠だったのです。
ここで私自身がカナダで働く中で気づいた、ビジネス英語にまつわる3つの発見をご紹介します。
私も以前は「カナダで働くならネイティブのような英語を話さなきゃ」と思っていました。しかし実際カナダでは非ネイティブの移民がたくさん働いていて、なまりや文法ミスのある英語を話していることづきました。それでも彼らは問題なく業務をこなしていました。
移民国家カナダのオフィスでは、なまりのある英語や多少の文法ミスは日常茶飯事。重要なのは英語の正確さではなく「英語で業務を完遂できる理解力と伝達力」だったのす。特にネイティブスピーカーのカナダ人は移民の多様な英語に慣れているため、英語の完璧さを求めるより「英語が完璧でなくても業務をこなせること」を目指すことが重要です。

「欧米は白黒はっきりしている」と思われがちですが、ビジネスシーンは意外に相手への配慮が重要視されています。
例えば相手の依頼を断るときに単純に”No”と言うのではなく、”I'd love to help, but I'm currently tied up with something.”という表現が使われているのを聞いたことがあります。また相手の意見に反論するときは、”I disagree with you”というと角が立ってしまうので、”That's a great point, but I have some concerns about…”のように一度相手の意見を受け入れてから自分の意見を伝える方も多いです。
実際Yes/Noを直球で言いすぎると、「協調性がない」「攻撃的だ」と見なされるリスクがあります。相手を尊重しつつ自分の意見を伝える「クッション言葉」こそが、プロの証なのです。
「欧米のコミュニケーションはとにかくカジュアル」というイメージはありませんか?実は英語には日本語の「敬語」のような体系はありませんが、上司や取引先と話すときに適した「丁寧な言葉遣い」は存在します。
例えば "Hey" は友達に使うようなカジュアルな挨拶で、 ビジネスシーンでは "Hello"や"Hi"という表現が好まれます。カジュアルな表現やスラングをビジネスシーンでも使うと「失礼」「信頼できない」という印象を与えかねないので注意が必要です。
こまでで、カナダのビジネスシーンで求められるのは「英語の正しさ」や「ネイティブのような流暢さ」ではないということを理解いただけたかと思います。では、実際にカナダ就職で「武器」になる英語力とは何なのか。私自身の経験をもとに、ビジネス英語の重要なポイントを3つご紹介します。
リスニング試験のように一言一句を完璧に聞き取る必要はありません。大切なのは、顧客や同僚との会話の中で「相手が最終的に何を求めているのか(ゴール)」を外さないことです。
例えば、私がクライアントと打ち合わせをしていた時のことです。彼の話すスピードが速く、一言一句を完璧に追うことはできませんでした。しかし、会話の中で "Timeline" "Deadline" "Push back" というキーワードを拾うことができたので、「スケジュールの延期を相談したいのかな?」と推測しました。そこで念のため、"Just to make sure, do you mean we need to adjust the project timeline?"(念のため確認ですが、プロジェクトの予定を調整する必要があるということでしょうか?)と聞き返したところ、”That’s right”言われて確認ができたので、そこからは丁寧にスケジュール調整の相談を進め、相手の求める依頼に対応することができました。

どんな職場でも、進捗を上司に報告したり会議で自分の意見を伝えるシーンがあります。そんな時に難しい表現や長文を使う必要はありません。簡単な短文であっても、その状況や自分の意見を明確に伝える力が重要です。
例えば、顧客からのクレームを上司に報告する状況を想像してください。焦って難しい構文を使おうと言葉に詰まるよりも、シンプルな表現でこう伝えて問題ありません。
"We got a complaint from the client. It’s about the delay. I want to discuss our next steps.” (顧客から遅延のクレームが入りました。今後の対応ステップについて話し合いたいです。)
このように、「何が起きたか」と「何が必要なのか」をシンプルに切り分けて伝えれば、難しい英語を使わなくても問題なく業務を進めることができます。
顧客や取引先と話す時と、同僚と話す時では表現を少し使い分けることがあります。
例えば相手に書類を送ってほしいと頼むシーンを考えてみましょう。
同僚に使える表現: "Can you send me the document?"
親しい間柄なら問題ありませんが、「書類を送ってくれる?」という少し直接的な印象を与えかねません。
顧客や取引先等にお願いするときのプロフェッショナルな表現: "Could you send me the document?" 「もしよろしければ、書類を送っていただけますか?)」というような、控えめで丁寧な響きになります。
実際に私がビジネス英語力を伸ばした方法が、言えなかったことを言えるようにする練習をコツコツ積み重ねたことです。業務中に言葉に詰まったり、自分の表現が幼いと感じて悔しい思いをしたりした時こそ、英語力が伸びる最大のチャンスです。

会議中やチャット中に「本当は何と言いたかったのか」を日本語でスマホや手帳にメモしておきます。
生成AI等を使い「英語で何と言えばよかったか」を調べ、プロフェッショナルなフレーズを書き出します。そして、次に同じシチュエーションが来た時に反射的に口から出るよう、独り言で何度も練習します。
練習したフレーズを、翌日の会議やチャットで使ってみます。「自分の口から発信して相手に通じた」という成功体験によって定着し、その後も同じ状況ですっと出てくるようになりました。
とはいえ、自分一人で「この表現はビジネスシーンにふさわしいか」を判断したり、学習を続けるのは限界があると感じる方も多いでしょう。そんな方には、カナダのビジネス現場を熟知したプロから直接指導を受けるのが最も効率的です。
カナダ・オンタリオ州に拠点を置くAardvark Learning Academyでは、一般的な英会話ではなく、「カナダの職場で明日からすぐ使える」実戦的な英語力を身につけるレッスンを提供しています。
「英語が完璧じゃないから」と、挑戦にブレーキをかける必要はありません。カナダの職場は、世界中から集まった移民たちがそれぞれの英語で堂々と働いている場所です。求められるのは「完璧な英語」ではなく、シンプルな言葉で状況や気持ちを伝えつつ、相手と気持ちのいい関係を築く力。あなたがこれまで日本で積み上げてきた経験や誠実さは、英語力以上の武器になるはずです。
最初は不安でも、小さな成功体験を積み重ねるうちに、英語はきっと「怖いもの」から「自分のスキルを発揮するための頼もしいツール」に変わっていきます。一人で抱え込まず、カナダのビジネス現場を知るプロの力も借りながら、自信を持って一歩を踏み出してみてください。あなたのカナダでの挑戦を、心から応援しています。




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